ソビエトの国家設計家ポルシェ

ソビエト側は手厚く彼をもてなし、手紙の約束どおり何一つ隠そうとしなかったのです。


「科学技術に国境はない」という言葉はやがて死語になるわけですが・・・


当時ポルシェにとっていかなる国境もなかったのです。


いつも中古車情報をチェックしているような車好きの人なら、きっと彼のこのような性格による逸話もご存知でしょう。


キエフ、クルスク、ニジニノヴゴロド、オデッサと旅を重ね、彼は自動車工場、鋳造所、タービン、戦車、トラクター、航空機の工場を視察しました。


ロシア特有の豪華な宴会が毎日続きました。


ふと彼がウォッカは好きでないと言うと、翌日は彼の口にあったピルゼン・ビールが食卓にならんでいます。


空輸以外には考えられないのです。


ポルシェはその歓待ぶりに薄気味悪くなり、視察した各種の工場施設にも驚嘆しました。


しかしかなり長期間にわたったソビエト旅行中にも、ポルシェは彼らの真意がつかめず、いらいらしました。


やがてある工場でスターリンの大演説の抜粋が横断幕に書かれていましたが、それを翻訳してもらってはたと気がつきます。


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