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2011年09月 アーカイブ

好奇心の旺盛な人

ポルシェはおそらく農業用トラクターの特許でも買いに来たのだろうと考えましたが、2人の技術者は全く興味を示さず、話はなかなか本題に入らなかったのです。


おそらくポルシェやスタッフの人物の品定めを行っていたのでしょう・・・。


3回目の会見でようやく、彼らはソビエト政府からの公式文書をポルシェに手渡しました。


「我が政府は、貴殿に我国の国家再建の時期がはじまったことをお見せしたいと思います。


技術的進歩、動力化及び電気設備の充実が新生ソビエトの力により進められています。


無限の国土と無尽蔵の資源を持った我国の可能性を貴殿の目で判断していただきたいのです・・・。」


自動車開発や中古車情報検索システムを開発するような傑出した技術者であるからには、好奇心が旺盛でなくてはなりません。


ポルシェは大いに食指を動かし、よろこんでソビエト政府の招待を受けることにして、3週間後にソビエト旅行に出かけました。

ソビエトの国家設計家ポルシェ

ソビエト側は手厚く彼をもてなし、手紙の約束どおり何一つ隠そうとしなかったのです。


「科学技術に国境はない」という言葉はやがて死語になるわけですが・・・


当時ポルシェにとっていかなる国境もなかったのです。


いつも中古車情報をチェックしているような車好きの人なら、きっと彼のこのような性格による逸話もご存知でしょう。


キエフ、クルスク、ニジニノヴゴロド、オデッサと旅を重ね、彼は自動車工場、鋳造所、タービン、戦車、トラクター、航空機の工場を視察しました。


ロシア特有の豪華な宴会が毎日続きました。


ふと彼がウォッカは好きでないと言うと、翌日は彼の口にあったピルゼン・ビールが食卓にならんでいます。


空輸以外には考えられないのです。


ポルシェはその歓待ぶりに薄気味悪くなり、視察した各種の工場施設にも驚嘆しました。


しかしかなり長期間にわたったソビエト旅行中にも、ポルシェは彼らの真意がつかめず、いらいらしました。


やがてある工場でスターリンの大演説の抜粋が横断幕に書かれていましたが、それを翻訳してもらってはたと気がつきます。


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